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【代表コラムvol.2】不動産終活の誕生

2025.03.11

不動産問題の予防が未来を守る

さて、何かを変えようとする場合、どの様にするのが効果的でしょうか。例えば、制度や法律で押さえつけて変えていくことは一定の効果はあると思いますが、根本的には個々人の考え方や、心の持ち方を変えていかないと根本的解決には向かわないものだと考えます。

例えば、近年インバウンド等で様々な国の方が日本にいらっしゃいますが、それぞれの国の文化の違いやモラルの欠如などが原因となって、住み暮らす日本人が嫌悪感を持つケースが見受けられます。しかし、かつて高度経済成長の時には、当時の日本人旅行者の振る舞いによって、同じように現地の方に嫌悪感を持たれていたということを聞いたことがあります。

現在、日本人の行動が海外で称賛されるようになったのは、海外文化に関する教育や道徳等の育成が強化され、本来日本人が持っている勤勉さが引き出された所も関係しているのではないでしょうか。

同じ様に、不動産についての基礎知識や、不動産所有による責任も教育などにより改善され、ひいては近年起きている不動産による問題も軽減されていくのではないかと思っています。

不動産についての問題は、起きてから解決しようとしてもなかなか難しいものです。又、解決するまでのエネルギーはかなり大きなものになります。それならば問題が起きる前に何らかの対策を講じることで、問題自体をつくらないことが大変重要です。それによって、無駄なエネルギーを使わず、問題の発生を防ぐことができます。

そして、これから起きるであろうとする“不動産についての問題発生予備軍に、先んじて対策を講じること”を「不動産の終活」と位置づけました。

 

後悔する前に、備えよ

“何か問題が起きてから対策を講じよう”という考え方は、未来に対し大きなつけを残します。

不動産とは別な話ですが、ストーカー被害を受けている人が何度も警察に相談をするも、警察は何の対策もすることができず、そして最悪の事件が発生してしまうという報道を見ることがあります。この様な悲しい事件があって、初めて対策するための法律が整備されていきます。第三者が現在のルールに則った対応をとろうとすると、ある意味では致し方ないことなのかもしれません。しかし、何か起きてから対処するという考えは大きな不幸を残すことにもなります。

不動産についても同じように、起きてから対策をするのではなく、起きる前に対策を講じることで不幸をつくらないことが大事なことだと思います。

近年「終活」という言葉が多く使われていますが、大半は、お墓の問題や保険、相続の話が主流です。しかし、先にも記したように資産の約7割が不動産で占めているということから「不動産の終活」ということで掘り下げていきたいと思います。

 

社会を揺るがす3つの不動産問題

今、社会問題化している不動産は、大きく分けて三つあると考えています、

ひとつは、空き家問題です。そして、登記未了不動産、更には未管理不動産です。これらを作り出すきっかけの一つが、相続です。不動産の相続は、相続人が好むか好まないかは別として身内に受け継がれていきます。この不動産という資産が、“相続”というきっかけによって、実に様々なドラマを生み出しているのです。

資産価値のある不動産を受け継いだ相続人は、身内同士で色々な駆け引きをしたり、骨肉の争いが起こったりしています。一方、資産価値のない不動産や負債のある不動産を受け継いだ相続人は、相続人同士でその不動産を相手に押し付けたり、放棄したり、ほったらかしのままにしてしまうなどの状況を引き起こしています。

この三つの社会問題化している不動産は、各々単独の問題として発生しているわけではありません。すべて関連性があり、総合的に考えていく必要があるものと考えられます。それでは、それぞれについて簡単に解説していきます。

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